相続相談

相続相談 2021.03.12

家族信託って何?メリットってあるの?

2007年9月に施行された新しい財産管理の仕組み家族信託。

もしも両親が認知症になってしまったら、親が所有している財産は事実上凍結されてしまいます。

定期預金は解約することもできませんし、自宅も売却することができません。

これは、これから両親の介護費用を工面していく子どもにとっては大変大きな問題で、その際に、役立つが認知症による財産凍結問題を解決してくれる家族信託。

この記事では、家族信託についてと家族信託のメリットについて紹介します。

家族信託とは?

家族信託

家族信託とは、財産管理の手法のひとつで、財産を持つ人が、信頼できる家族に財産を託して管理運営を任せる仕組みのことを言います。

家族信託では、財産の管理運営を委託する人を「委託者」、委託を受けて財産を管理する人を「受託者」、財産から得られる収益を受ける人を「受益者」、管理や運用の対象となる財産を「信託財産」と呼びます。

例えば、マンションやアパートなどの収益物件を所有している親が、管理運営が今まで通りできなくなってきた時に、子供にその収益物件の管理運営を委託するというもの。

収益物件から入ってくる家賃収入はこれまで通り老後の生活の足しにしたいと考えた場合、財産である収益物件を管理運営する委託者は親にして、子供は委託を受けて管理する受託者にします。そうすることによって、家賃収入は今まで通り親が受益者として受け取ることができるのです。

家族信託のメリット

メリット

【1】認知症になっても財産は凍結されない

認知症になると記憶が抜け落ちてしまうため、周りの状況を理解したり自分の意思を明確に判断して行動するということができなくなってしまいます。

そのため、認知症の発症が認められると、本人の財産を守る手段として財産が凍結されてしまい、あらゆる法律行為ができなくなります。たとえば、自宅を第3者に貸し出したり、売却したり、定期預金の解約などです。

財産が凍結されてしまうと「成年後見制度」を使うことで手続きができるようになりますが、家庭裁判所に行って手続きしたりして利用開始までにかなりの時間がかかります。

その凍結を防ぐためにも、この家族信託が有効なのです。

【2】相続も簡単

財産を残す人が亡くなると発生するのが相続ですが、家族信託を利用していると相続の際の手続きが断然楽になります。

また遺言書がない相続でも、家族信託で承継先が指定されているので遺産分割協議を行わなくても相続できます。

まだまだ新しい制度で、なかなか知らない人も多い家族信託ですが、もしもの場合の選択肢として覚えておくと良いですね♪